幸せな気持ちでチョコレート

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どうやら、風邪が治った。
食べ物の味もわかるようになって、今、幸せな気持ちで紅茶をすすりすすり、チョコレートをつまんでいる。

難儀な職業ではある。
風邪を押して五日連続で現場に立ち、その後の三日間の休みで症状はおさまったはずだった。
それが、日曜日の現場で、売り場で電気が使えなかったことから、またぶり返してしまった。

「ごめんなさい。バックヤードで麺をゆがいて、スープを割るお湯もわかして下さい。それから、売り場に運んで」。
こういうケースはままあることだから、そのために保温マグも持ってきているし、安全の面からも望ましいのだが、指定された場所が悪かった。
従業員休憩室や試食調理室ではなく、商品がうず高く積まれている一角だったのだ。眼前は納品のための駐車場。商品と商品の隙間から、彦根の寒冷な外気が容赦なく吹きよせてくる。何枚カイロを貼っても追いつかない。
体調は完全に逆戻りした。

おまけに、担当ラーメンが、美味しいけれどもお値段もそれなりのご当地ラーメンで、思うように売れない。試食ばかり。
販売がイマイチだと、余計に寒さを感じてしまう。

その翌日が、鞍馬山の麓の岩倉(京都)。デモ場所は、肉売り場と冷凍食品に挟まれた場。
芯から凍えあがった。

オフの昨日、ほぼ一日じゅう風呂に入り、ゆったりと雑誌をめくり、昼寝もして、生き返った。

明日からまた連続で仕事。冷えとの闘いが続く。