おひとり殿方(とのかた)と野菜ジュース

観測史上、最高の高温を記録したと言われた今年の夏だったが、8月末に北海道・東北地方を襲った台風と共に、あっけないほどサッと行ってくれたね。
心配されていた残暑も、例年ほど厳しくない。
そんな中、あらためて思う。
今年、すなわち2016年の夏の我がデモンストレーションは野菜ジュースづいていた、ということは、それだけ野菜ジュースがジュース界の中でメジャーな存在になったんだなあと。

実際、私がデモンストレーターになった2004年当時は、野菜ジュースを販売するのは、なかなか大変だったのよ。「ドロッとしていて気持ちが悪い」とか「野菜の匂いやアクが気になる」とか、試飲したお客さんに言われてね。
滋賀県の南西部にあるローカルスーパーで新発売の食パンをデモしていた時に、隣で女子大生が知名度のあるメーカーの野菜ジュースをデモしていたのを見たけれど、かわいそうなほど売れていなかったな。
女子大生自身は、商品の特徴や野菜ジュースを飲むことによって得られるであろう効能をキチンと説明していたのにね。

それから、半年ほど経って、私もいよいよ野菜ジュースのデモンストレーションデビュー。
宣伝に熱心なメーカーで、商品発売の前にテレビなどでガンガンCMを打っていてくれたし、現場の店舗側もかなりお手頃価格にしてくれていたので、幸い入荷商品のほとんどは売れたけれど、リズムに乗るまでは、けっこう厳しかったねえ、、、それまでデモを担当したオレンジやりんご、グレープなどのジュースを飲んだ時にお客様から聞かれる「美味しい」「さわやか」「すっきり」の声は、まずなかったし。

ここ十数年間で野菜ジュースが売れるようになった背景には、メーカー側の努力で味や品質の向上がされたこと、日本人の食生活のますますの欧米化による野菜摂取量の減少が指摘されるようになったこと、そして単身赴任も含めた男性の一人暮らしが増えたこと、この三つの現象があると思う。
特に、最後の「おひとり殿方」は野菜ジュースのいいお得意様だと、デモをしていてつくづく感じる。

おひとり殿方と野菜ジュース。両者の関連、もう少し追求していくね。