前回の投稿で、「特別な事情がない限り、この仕事で年が始まるのが、ここ数年の通例」と書いた、押し麦のデモ。
メニューは、麦とろご飯。
エージェンシーからの指示書には「東北地方で三が日の最後の日に食べられ、おせちを初めとする正月料理で疲れた内臓を休めると同時に、風邪封じの意味合いも持つ」と説明されていたが、実際は静岡県のものが代表とされ、全国的に親しまれているらしい。
麦ご飯に出汁を混ぜた山芋のすりおろしをかけた、いっけん古くさいこのメニュー。
どうして、どうして。
小さな子どもから老人にまで受け入れられる人気ぶり。
粗食と断定してもはばかりないまでの「素朴さ」が、飽食の現在、新鮮に受け止められているのだ。
映画「Always 三丁目の夕陽」シリーズではないが、古き良きものへの回顧現象は、食の世界でも例外ではないようだ。