焼肉のタレは万能調味料

昨日と今日は焼肉をデモ。もっとも販売するのは肉ではない。肉につけるタレである。それも、日本人なら恐らく知らぬ者はないであろう、あのタレ。
「あらぁ、知名度があるから、そんなに頑張らなくても売れるでしょう? ラッキーじゃないですか」
と言う声がどこからか聞こえてきそうだが、そううまくはいかないのが、世の常。
知名度があるからこそ、そういう商品は、賢い消費者の皆さんに特売時に買いだめをされているのである。
今回も、試食はそこそこ出て味も好評なのに、いざ商品購入となると、「ちょっと前、ここの向かいのスーパーで◯◯◯円で売っていたよ。その日に二本買ったのがまだある」とか「この店、◯曜日は全品1割引やねん。それまで待つわ」とか、何度もお客様に言われ、断られた。

さて。
このような状況で「フン、今日は特別に値下げもしていないし、売れるわけないがな」とふてくされたり、「あ、そうですか。じゃ、またの機会に」とあっさり引き退ったりしては、デモンストレーターの名が泣く。
知恵を絞らなきゃ。
例えば、販売は取り敢えず横に置き、お客様への情報提供に徹する案はどうだろう?
焼肉のタレなら、それは焼肉のみならず他の料理にも使えること、ゆえに「たくさん持っていても無駄ではない」ことをアピールするのだ。

実際、焼肉のタレほど幅広く使い回しが出来るスグレモノ調味料は、そう多くない。
和洋中の炒め物はもとより、チャーハンや魚介の炊き込みご飯、焼きそば、焼きうどん、パスタなどの麺料理の味付けにも焼肉のタレが大活躍する。
あと、唐揚げ、中華風和え物、こんにゃくステーキにも。
まさに万能調味料。
「子どもたちのお弁当に入れるおかずの大半は焼肉のタレで味をつける」人を個人的に知っているが、うなずけるわあ。

このような話をすると、一定数のお客様は熱心に耳を傾ける。
そうなれば、しめたもの。
「いいことを教えてもらった。ありがとうね」との言葉と共に、商品を買い物カゴに入れて下さるお客様も必ず現れる。
なぜなら、人間関係は基本的に「与えること」と「与えられること」のキャッチボールで成り立っているからだ。
受けては返す。返しては受ける。その繰り返しで物事は流れ、進んでいく。
会話と同じなんだよ。

と、ここまで読んで下さったあなた。さっそく、冷蔵庫に眠る焼肉のタレの残り(焼肉をして余ったタレをそのまま放置しているとおっしゃる方も多い)を使って、何か一品つくってみませんか?
つくるのが面倒なら、納豆や冷奴に垂らしてみませんか? いつもの納豆や冷奴より濃厚な味わいになって、ご飯も美味しくなりますよ。