キムチに考える

キムチに関する話題を続ける。

正月明けの韓国お一人様クルージング旅では、当然ながら
「せっかくキムチの本場に来たんだから」
と、白菜キムチも大根キムチも、可能な限りお腹に入れた。

日本で一般的と言うか、巷の噂では「日本人の味覚に一番合っている」とされている東海漬物社のキムチを食べ慣れているせいもあるのか。あくまで個人的な印象だが、本場である韓国のキムチは、「日本で販売されているキムチより辛くてクセがある。なのに美味しい。でも、これは寒気が強い韓国で食べるからかな」。
これが、率直な感想。
実際、私が釜山に上陸した日の現地の温度はマイナス6度だったのだけれど、昼食である定食に添えられたキムチを一口食べたら、知らず知らずのうちに他の料理に箸が進みそうになり、そのうち汗が吹き出していた。

イベントで一緒に仕事をしたことがある韓国の食品業者は、流暢な日本語で、私に語ったっけ。
「日本で販売されているキムチは、我々韓国人からしたら、頼りないですね。極端な表現を許してもらえば、あれはキムチではありません!」。

もっとも、これでいいのだとも思う。
カレーがグローバル化したように、キムチも今や韓国だけの食材ではない。
韓国と日本では、気候も含めた風土が違うのだから、それぞれの地に合わせたキムチがあってもよいのでは?

次に韓国に行くことがあれば、ぜひ今回訪れた釜山以外の韓国の地のキムチも食べてみたい。
日本のたくあんがそうであるように、地域によって微妙に酸味や塩分などが異なると思うよ。
そこから新たな発見もあるはず。

こんな発想が浮かぶのも、この仕事をしていればこそ。
イイ仕事に就いた。
やはり、デモンストレーターは天職だと感じる。