マイ・バースデイ~年をとるのも悪くない。

今日はマイ・バースデイ。
61歳になった。

あらためて思う。
この年までよく生きたもんだと。
少なくとも少女時代、私は60代になった自分を想像してはいなかった。

シワなんて、たるみなんて、自分だけは無縁だと信じていた。
まして、おばさんと呼ばれるなんて!

時は平等。
誰しも相応になっていくのが、自然の摂理。
美魔女ブームの昨今では、反発されそうな見解だが。

でもね、今日、何気なく借りたレンタルDVD「ジェーン・エア」を観ていて、思ったのだ。
年をとるのも悪くはないのではないかと。

ジェーン・エア」。イギリスの女流作家、シャーロット・ブロンテが書いた(当時は女がものを書くなどとんでもないとされていた時代だったため、彼女はこれを男性の名前で出版したと言う)長編小説をもとにしており、私がこれを読んだのは、中学校にあがった年だったか。
物語に起伏があり、何より途中でミステリアスな場面もあって世俗的な好奇心もそそられて面白かったけれど、何せ12歳だ。どうもよく分からないところが多く、結局は表面をなぞるだけで終わってしまった。

そうこうしているうち、シャーロットの妹のエミリーが著した「嵐が丘」が私の前に現れた。
こちらは、作風柄、分かろうが分かるまいが、迫力満点。
たちまち虜になった。
主人公のヒースクリッフをはじめ、彼が愛したキャサリン、キャサリンと結婚したエドガー、ヒースクリッフの息子リントン、事の顛末を語る家政婦のネリーなどなど、一連のキャラクターがいずれも強烈な個性の持ち主だったせいか。

しかし、12歳から61歳と、およそ50年を隔てて接した「ジェーン・エア」に対する感じ方。12歳の時と全く違っていた。
「女性の生き方に関し、作者はこんなにも先駆者的な考えを持っていたのね」。

年をとるのを恐れまい。
若さに勝るものが、そこにはある。