なぜ日本では接客業への社会的評価は低い?

日本人である私が言うのも何だが、販売店でもレストランでもホテルでも駅でも、日本独自のおもてなし精神というか接客技術は、世界でも高いレベルにあると思わない?
特に外国に行くと切に感じる。
もう行きの飛行機内でのキャビンアテンダントの態度からして違うからねえ(わけても欧米の航空会社はひどい。愛想がなさすぎる。もっともよく欧米航空会社を利用している人の話では、「エコノミークラスならそんなもん」なんだそうだ)!

その接客技術大国の日本で、なぜ接客業の社会的地位がかくも低いのか?
それは、前の記事でも取り上げたように、「人に頭を下げることは、へり下ることであるから恥ずかしいこと」なる、奇妙な刷り込みが、一部の日本人に強固に残っていることによる。

我が友人の旦那さんもそうよ。
子どもたちが全て中学生になって手が離れ、別にお金には困っていないものの考えるところがあり、家事に支障がない範囲でパートに出ようとご主人に話を切り出したのは、十数年前。
ご主人の答は
「販売と営業と飲食はダメ。妻が他人にペコペコ頭を下げてまではした金(!)を稼ぐのかと想うと、いたたまれない。それ以外の、例えば事務とか病院や学校の受付とかなら良い」。

結局、友人は最後の最後までパートに出ることはなかった。
そりゃそうだわ。
ご主人が示した、事務や受付も、現在では頭を下げる業務になっているもの。
病院を受診する患者さん、学校に学ぶ学生さん。
大きな目でみてごらん。
みーんな、お客さんでしょうが!

これをわかっていない意識が、小売業に対する社会的評価の低さにつながり、極端な人出不足に繋がっているのたと思う。

実際は、小売業ってとてつもない楽しい現場なんだけれどな。

次回をお楽しみに。