小売業界で働く楽しみの一つは不特定多数の人に会えること

風邪が治らない。喉の部分だけ治らない。このまま花の四月を終えるんだろうか?
この週末に入った現場で、親しいパートさんの一人にも言われた。
「あらっ、おねえさん、まだ声がおかしい。と言うことは、風邪がようなってへんのやな。今回はえらい長引いとるなあ」
そう。ここの店には三月の半ばにも訪れ、その時も私は風邪の影響でハスキーボイスだった。

我が喉の話題はさておき。
今日から、小売業の楽しさを私なりにPRしていくよ。
少しでも共感する部分があったら、どうぞそれを他の人に伝えてね。
そして、願わくば、小売業界の極端な人手不足解消にささやかな力をお貸しくださいね。

まず、小売業の魅力は、何といっても老若男女、年齢、職業、生活環境もさまざまな不特定多数の人たちと「商品」を媒体として接する点にあると思う。
ぶちまけた話、成功したベンチャー企業の経営者にも、怖い筋の方にも、権威ある賞を受けた天才学者にも、真昼間からビールをグイグイの半アル中のおっさんにも、とにかくシャバにいる人間という人間にお会い出来るのだ。
これは、ものすごく魅力的なことだよ。

実際、「私はこの仕事が大好きやねん。だって、いろいろな人に会えるもん」と私に語った某大手スーパーのレジ係がいた。
「前は書店に勤めていたんやけどね、書店って、けっきょく本や映画が好きな人しか来えへんねん。となると、職業とか生活環境とか、割に限られてくるわなあ。そこへいくと、スーパーは人間の本能である食を扱っているぶんオールマイティ。しかも、有名人も悪いことした人も来はる。マンウォッチングには持ってこいやわ」。
ああ、わかります。わかります。
私も、実はそれが一番の魅力でこの仕事を続けてきたところがあるから。

異なる世界で生きる人々に会うことは、好奇心を刺激し、表面的ではあっても知識を得、視野を広げる。
「こんな人もおるんや」
「けったいなライフスタイルやなあ。でも楽しそう」
「この人も頑張ってはる。私も、、、」
振り返れば、昼も夜も働いて疲労が皮膚の一部になりかかっていた時にどうにか踏ん張れたのも、仕事がら不特定多数の人と接していたおかげで、悪いエネルギーも浴びたけれどそれ以上に良いエネルギーを貰っていたからなのだ。

こうとらえると、小売業界はSNSに似た部分があるかも知れないね。