昨日の親戚女性のパート体験談。せっかく意気込んで始めたのに、わずか6ヶ月で辞めてしまった。
理由はいろいろあるのだけれど、一番大きなのは、ご主人の両親、すなわち義父母の干渉にあった。
彼女が勤めたスーパー〇〇屋(仮名)は、ギリギリの範囲内ながら、義父母が住んでいる地域を商圏として取り込んでいたらしい。
今日日のことだ。高齢者でも車を運転して遠方の店に買い出しに行く人は珍しくない。
そんなお客様の中に義父母宅の近所に住む人が何人かおり、彼女が〇〇屋にパートに出始めて義父母はたびたび彼女の話を〇〇屋にからめて聞かされるようになった。
「おたくのお嫁さん、〇〇屋で働くようになったん?」
「今日、嫁さんを〇〇屋で見たよ。(商品を)パックしたのを(売り場に)並べていた」
「嫁さん、頑張っているね。この間は入り口に立って(お客さんに)カゴを渡していた」
これが、義父母には我慢ならなかったのである。
「うちの嫁が、我が家の近所の人にペコペコしている。いくら仕事だからって恥ずかしいったらありゃしない」
と言うわけである。
かくして
「どうしてもパートに出なあかんのかいな?」
から始まり、彼女が家計の状態を明かし、ご主人すなわち義父母の息子にも了解を得ていると説明すると
「なら、もっと他にも仕事はあるやろ。とにかく、人に頭を下げるような仕事はやめてくれ。息子や孫のためにも。
みっともない! 孫かて自分のお母ちゃんが同級生のじいじやばあばにヘコヘコしているのを見るのはイヤやろ」。
干渉は止まず、折しも冷気のきつい現場で腰を悪くしたこともあり、彼女は退職を決めた。
人手不足ゆえ一息つく間もなく押し寄せる作業や矢継ぎ早に出される指示にも何とかついていけるまでになっていたのに、何とももったいない話である。
私にすれば、人間関係が極めて狭く濃い地方都市の特殊性はあっても、人の嫁さんがどこで何をして稼ごうと、悪いことをしているんじゃなし、いちいち話題にする近所の住民も住民だし、「人に頭を下げる仕事は恥ずかしい」と感じる義父母も義父母である(人に頭を下げないでお金がもらえる仕事ってあるのかしら? 銀行だって販売営業所の事務員だって保険屋だって画廊の受付だって、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」とお辞儀してまんがな)。
ついでに。
この親戚女性にはもう少し辛抱して欲しかったな。
当時、彼女の時給は800円だったのだけれど、時間外勤務もあり、収入は1ヶ月4万円にはなったとか。
ざっと計算して一年で48万円(賞与も入れたら60万くらいにはなったかも)。
10年勤めてごらんなさい。600万。
仮に私立大学に進学したとしても、文系なら子ども二人にもちょっとアルバイトを頑張ってもらったら、十分に教育を与えてやれたよね。