お百姓仕事に目覚めた

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故郷、岡山に住む友人からメールが届いた。
「私、お百姓仕事に目覚めました」。

コロナ騒動でパート先が営業を自粛したため、在宅をよぎなくされるようになった彼女。最初のうちこそ
「片付けのいい機会。このさい徹底的に」
と張り切っていたが、やがてそれにも飽きてしまった。
そんな折、目に止まったのが、自宅横に併設された畑だったのだ。

実はこの畑、ご主人の亡くなった両親が家を建てる時に潰した田畑の残り。
土地の大半は住居としたのだけれど、
「家で食べる野菜くらいは作りたい」
とのお義父さんの希望で、広くはなくてもちょっとした野菜が出来るくらいのスペースを確保しておいた。

ただ、彼女自身は、農作業には全く興味がなし。義父母が亡くなった後も、畑仕事に励むのは、二度目の定年退職を迎えたご主人だった。
それが、コロナ休暇で思いもかけず膨大な時間が目の前に広がり、
「他にやることもないし、旦那を手伝って、農業しよっかな」
と言う気になったのだ。

いざ畑に入り、土に触ってみれば
「気持ちいいの何の。土っていい香りがするね」
と、たちまちとりこに。
日光を浴び、自然な風にも吹かれて、気持ちも上向きに。
「家の中にいれば、テレビもラジオもコロナコロナだからね。嫌でもウツウツとしてくる」。

今では、
「パート先が再開されてもしなくても、このままお百姓さんも兼任したらいいかな。もっともっと土壌作りや堆肥についても勉強して、他の野菜も作ってみたい」
と思うようになってきているとか。

こういう考えもありだなあと、感心してしまった。

自宅農地での野菜作りは直接の現金収入にはならなくても、大きな目で見たら利益を産む。
とれとれ野菜の滋養をまるごといただける上、ほどよい運動になり、自然に触れることで精神状態も安定し、作物について学ぶ過程で脳細胞も活性化するからだ。

われわれ1人1人に発想の転換が求められるところ。
直にカネを稼ぐことだけが、実質的な所得アップの道ではない。

写真は、4年前、当時住んでいた山科での田植え前の田んぼ風景。
カエルが大好きな私にとって、この時期の田んぼのカエルコーラスは何にも変えがたいBGMである。