人間の本能「食」に関わりあう仕事

7月最後の土日は、大阪市内の大手スーパーでステーキのデモ。へとへとに疲れ、月曜日はゴロゴロしていた。

店舗が店舗。我々デモンストレーターの間では、「試食がものすごく出る」ことで知られる店の一つで、まして、ステーキとくれば、時間帯によっては行列もん。
焼いて、焼いて、焼きまくった。

この仕事。「食」という、人間の本能の一つに関わりあう面があるから、正直、見なきゃよかったと感じる場面に遭遇することも珍しくなく、時に人間不信に陥る。
結果、辞めていった人もたくさん見てきた。

ヒレをバタバタさせて自分以外の魚を追い払い、餌を独り占めする魚。
それと同じタイプが人間にもいると書いたけれど、他に、こんなタイプもいる。
親と一緒に「お行儀よく」(?)試食用の肉が焼けるのを待っている小さな子どもに、こちらが「さあお待たせ」と肉を持った試食皿を渡そうとしたら、横から来てサッと取り上げる大人。
ほとんどが、ジイさんかバアさんである。
顔つき、態度、服装。全身から「下流老人」のオーラを放っているが、、、ううむ、幼児相手にこんな態度をとるのは、もしかして認知症が入っている?

こんな面でも、けっこうストレスがたまるのがデモンストレーター業なのだが、もちろん、その反対のケースもたくさんある。
ただ、知り合いのバーテンダーも話していたが、長年この仕事をしていると、自然と人の心の裏も推測するようになり、そこいらをどうとらえるかでねえ、、、仕事への姿勢も違ってくると思う。

私自身は、少女時代に作家になりたかったこともあり、そういう「推理」は決して嫌いではない。