話し方のクセ

「あんた、早口やな」。
面と向かって(他人に)こう言われたのは、40年以上も前、大学生の時だったか。
「いや、早口過ぎて話している内容がわからないというわけではないけれど、、、なんだか落ち着かない。そんな印象は与える」。

正直、驚いた。それまでの私は、自分では、話すスピードはむしろ遅いと本気で思っていたからだ。
同時に、目からウロコが落ちる気がした。
「ははーん。吃音(どもり)の原因の一つが、ここにあるな」。

月日は流れ、今や還暦過ぎ。
仕事でもプライベートでも、早口を指摘されることはないが、「テンポが速い」とは時折り。
話し方のクセは、若い時分と、基本的に変わっていないみたいだ。

もっとも、これって、良い方向にとらえたら個性なんだよね。
プラス、聞き手との相性も、確かにある。
ゆっくりと、一つ一つ言葉を噛みしめるような喋りが好きな人もいるし、ポンポンと単語を羅列するが如く歯切れの良い喋りに心地よさを感じる人もいるだろう。
ただ、基本的には、少なくともお客様などの第三者には、やはり「ゆっくり目」の方が、相手の立場になっていると感じる。

その点で、日本語があまり得意でない外国人との会話は、とてもタメになる。
易しい言葉を使って、スローに、相手がわかっているのかそうでないのか確かめながら話すからね。

これは、小さな子どもや耳が遠くなったお年寄りへの対応にも応用できるはずだ。