身体からのメッセージ、たまには聞いてやってね。

今日の仕事が急遽キャンセルになったのは、もしかして、天の采配かしら。
昨朝、突如として見舞われた激しい腹痛。十数分後に盛大に嘔吐し、それと共に痛みが和らいだこともあって気合いで現場に赴き、慣れで業務はこなしたものの、腹部全体の鈍痛と不快感はずっと続いていた。
予定通り今日も現場に立っていたら、、、症状はまた逆戻りしていたかも知れない。

結局は疲労なんですよ。
気は張っていても、肉体は加齢と共に確実に衰えていっているから、無理をすると自身の弱いところにそのツケがくる。
ツケは、同時に、身体の内側からのメッセージでもある。

振り返れば、今以上に生活に追われていたがゆえに1円でも多く稼ごうとビッシリと仕事を入れていた十数年前、現場に向かう途中で必ずといっていいほど腹痛と共に手洗いに行きたくなる日が相次いだ(家を出る前に手洗いはすましているにも関わらずである)時期があるが、あれも身体が必死でメッセージを送っていたのだ。
「休んで! 休んで下さい。私はもう4ヶ月以上もぶっ通しで働いています。クタクタです。お願い。休んで!」
と。

にもかかわらず、私は休まなかった。「疲労という名の服を着ている」感触からさらに進んで「疲労が皮膚の一部になる」感触に襲われても、休まなかった。
結果、身体は私から声を奪った、、、喉から出血させて。
デモンストレーターにとって、声を出すことは、業務を遂行する上で不可欠。その声が出なかったら、仕事を休む以外にない。

今回も、身体がサインを出したのね。腹痛と共に食べ終えたばかりの朝食をすべて戻した行為自体は、単なる消化不良。しかし、その裏には、もっと深刻なものが潜んでいるのだ。

もっとも、別に生活に追われていなくても、私みたいなタイプ、実は日本人にはまだまだ多いと思うよ。
腹痛やら発熱やら風邪やら腰痛やら、いろいろあっても、皆さん、ほとんどの日は薬や何やで抑えて仕事に行っているでしょ。そう簡単に、電話一本で「今日、休みまーす」なんてこと、しないでしょ。
基本的に「働くことはいいことだ」の国民性。だからこそ壊滅的な敗戦から立ち直って今日があるのだけれど、、、。

朝、コンビニや駅の自動販売機で買った栄養ドリンクを流し込んで満員電車に乗り込んでいる疲れた表情(かお)の人たちを見るたび、人知れず祈らずにはいられない。
「頑張ってね。たまには、身体の声も聞いてやってね」。