尿漏れ対策用品のデモは何度か担当したが、ここ数年、以前に比べて明らかに反応が違ってきた。
少なくとも、かつてのネガティブなイメージは急速に薄れてきている。
パッドから進んだパンツ型の紙おむつも、某社が夫婦で活躍する人気歌手デュオをTVCMに採用したことで広く知られるようになった。
「尿漏れを気にするあまりに、外出やスポーツをためらうのはやめよう。これまで通り、旅行もショッピングもウォーキングもスキーもアクティブにこなそう」。
尿漏れパンツの開発には、こんなメッセージがこめられている。
私のデモ体験では、女性の場合は山歩き愛好家の方にこのパンツは人気がある。
山にはトイレがないことに加え、気温が低いので、どうしても尿が近くなるのだ。
「山に入る前は、用心のため、これを着用しますよ」
と言う高年女性は、私も含めてかなりいる。
このパンツ。いかにも介護といった従来の紙おむつとは違い、デザインがおしゃれで、色も豊富。
それでも、利用してみた感想としては、やはりもう少し薄手にして欲しい。
サイズも限られているから、小柄な人や細身の方は、パンツの質感で履いているスラックスのシルエットが崩れてしまうこともある。
尿漏れ対策トレーニング(正式には骨盤底筋を鍛えるトレーニング)は、どれも面白くない動作の繰り返し。
それを承知で、家人の
「パッドやオムツがあるんだからと放っておくと、やがて身体がその状態に慣れてしまい、ますます症状が進む可能性がある」
との言葉に、なるほどと、地道にトーニングを続けてきた。
効果は、忘れた頃、じんわりとあらわれてきた。
