「本を読まない人とは付き合わない」営業ウーマン。その2。

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さて。

 

少なくともプライベートでは、
「本を読まない人とは付き合わない」
と決めた営業ウーマンの話を続ける。

 

もともと、彼女は事務畑の人だった。
と言うより、彼女が大学を卒業した当時、民間企業では、研究職など一部の専門職をのぞけば、女性の職種はほぼ事務か販売に限られていた。

 

営業部付けの事務職として配属された彼女は、いわば、男性営業員のサポート役として、電話応対をこなしたり、来客を接待したり、書類を作成したり、ファイリングを担当したり。
そうこうするうち、成果としての数字で評価される営業職に関心を持ち、
「しんどさはあるだろうが、営業をアシストする営業事務ではなく営業そのものをやりたい」
と、願うようになったのだとか。

 

男女雇用均等法はまだ制定されていなかったが、折しも彼女の勤務先では、若い新社長のもと、
「女性の能力をもっと活用しよう」
との機運が生まれつつあった。
そんな中、彼女の移動願いは受理され、社内初の女性営業員に。

 

営業デビューしてほどなく、彼女は営業とはまさに心理学そのものであることを知る。
「契約を取る前に、私という人間を信頼してもらわないといけない。それには、人としての引き出しは多いに越したことはないし、洞察力や推理力、共感力も要求される。そのチカラをつけるには、読書が一番。知識や雑学を得るだけでなく、本を通じていろいろな人生を擬似体験できる」。

 

これはわかる。
例えば、保険営業なら、置かれた状況も生活への希望もおのおの異なるお客様の人生を想定した上で起こりうるハプニングを連想し、お客様にマッチする保険プランを提案せねばならない。
まさに、洞察力、推理力、共感力を総動員せねば出来ないこと。

 

ちなみに。
私が知りうる限り、経営者やトップセールスマンと呼ばれる人たちは、案外と読書家である。
話題作りや情報を収集する目的以外に、「本を読まない人とは付き合いたくない」と答えた彼女が示した、洞察力、推理力、共感力をつけるトレーニングの意味合いもあろう。

 

写真は、一番上の孫。
まだ6歳ながら、本が大好き(特に物語系)で、市民図書館では一度に10冊くらい借りてくる。
読んだ内容に触発されるのか、自分でもオハナシを作って妹に聴かせているくらいだ。