有機野菜を前に蘇る、かつての縁談。

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(注)9月1日に書いた記事。

 

今月から有機野菜の宅配を頼むことになった。

 

がんを患った夫の健康に配慮し、4月から食材はすべて有機物にしているのだけれど、自然食品店は遠いし、一般のスーパーなどで買った野菜を酢水に漬けて農薬除去する手間も億劫に感じられてきたためだ。


第一回目に配送された野菜を見ると、正直、
「えっ、あの値段で、これだけ?」
と言う感じ。
反面
「農薬を使って普通に(?)野菜を作るだけでも大変なのに、そのうえ、、、なのだから、こんなものかな」
とも。


野菜関連で思い起こせば、私が大学4年生の時、養豚農家の跡取り息子との縁談が互いの親同士との間で、密かに進められていたものだ。
何でも、父親同士が知り合いで、ある時、互いの息子と娘が同学年とわかった。
「一度、2人を会わせてみたらどうかな。うちは南国の〇〇大を来春卒業予定で、岡山県の公務員試験に合格して、就職も確定している。もし結婚したら、娘さんには家業を任せたい。これからの時代は、農業も養豚も、経験ばかりでなく知識と新しいものを取り入れる積極性、そしてきちんとした計数管理が必要だ。大学で4年間学んだ娘さんなら、きっとうまくやってくれるだろう」。


そこまで言われて、父は相手方の息子を用事ついでに見に行った(冬休みで帰省していたのだ)。
実直な青年で、父は一目で好感を持ったそうな。
「こりゃ、絶対に2人を会わせにゃいけん」。


とは言え、何事もタイミング。2人とも、通う大学がある町に下宿していて実家に帰るにも簡単にはいかない身ゆえ、会わせる機会はそうあるものではないところに、その冬、私は学生最後の思い出作りと称して友人と旅行に行き、他にもアルバイトの都合その他でけっきょく帰省せず、卒業後は大阪で働き続けたので、その話は自然と立ち消え。親たちだけの間でおさまったわけだ。
そもそも! 
私もそうだったけれど、相手の男性だって結婚なんてまだ考えてもいなかっただろう。


確かに、私は土や草に触れるとホッとする人間だし、動物も嫌いではないし、農家である父方の本家に行くたびにそこの牛や鶏と遊んで家畜にも親しんできた。
とは言え、そのことと、農業や畜産を生業(なりわい)にすることとは、また別の問題である。


それでも、何かのご縁があって親同士の話し合いが現実になっていたら、多分、私は今ごろ有機農業をやっていたと思うのだ。


写真は、1番上の孫と真ん中の孫。
1番上の孫は動物や昆虫が大好きで、将来は動物園に勤めたいと望んでいるが(ちなみに第2志望はコック)、はて、どうなるか?