罹患した人の気持ちに200%寄り添うことは、すべてその人の言いなりになることではない。

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ガンを告知された夫が傾倒する自然療法家がとなえる
食事療法は非常に厳格で、例えば、野菜は無農薬の有機野菜でないといけない。ネギやシソにいたるまで。

 

タマネギや人参はよく使うから無農薬ものをネットでまとめ買い出来るが、大根とかキャベツはそんなわけにいかない。
老夫婦2人だけの家庭に大量なら大根なり野菜なりを摂っても、消費し切れず、結局いためてしまう。


となれば、普通のスーパーで買った大根なりキャベツなりを、かなりの量の酢を入れた水に、最低15分は漬け込んで、農薬を除去するわけだ。


結果、いつもよりずっと食事の支度に時間がかかり、今は仕事が入っていないからいいが、16日から忙しくなる。


そしたら、こんなん、やってられんと思う。
ひんやりした現場での立ち仕事で、加齢のため体力は落ちている。


それに夫の傾倒する自然治癒治療法は、一日中お風呂に入って子宮ガンを取らずに治った人の話に代表されるように、ヒマでないと出来ないんだな。


温泉療法もあるから治療法は理解出来るし、命がかかっている事情も納得しているが、、、皆さん、ちょっと想像してみて。


一日中風呂に入っていられる状況の家庭が、どれだけありますか?

稼がないといけない家庭もあるし、そうでなくても日常の諸々はこなさないといけないでしょうが!
いや、そんな家庭が大半なはず。


わかりますかね?
主義は正統なのだろうし、その主旨もよくわかるのだけれど、それゆえ、実行には一定の条件が整わないと難しい、理想主義的な面を含んでいるのだ。


我が家は、ガン患者を持つ通常の家庭とはまた違う悩みを抱えている。


メンタルをやられたら共倒れなので、夫にはっきり伝えた。
「あなたの事業がうまくいかなくなって、私も多額の借金を背負い、塗炭の苦しみを味わった。借金完済まで13年かかった。2度目はない。私にも私の人生があるし、死に関して娘や孫たちに迷惑をかけないだけの最低額はキープしておきたい。それを崩すようならねえ、、、」
と。


罹患した人の気持ちに200%寄り添うことは、すべてその人の言いなりになることではない。


写真は、華岡青洲の里を訪ねるべく、名手に行った時のもの。