販売の前に試食。試食の前に試食をしたい雰囲気作り。

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先週末の、滋賀県中部のまちにある大型スーパーでの仕事。

とにかく終わった。

 


「とにかく」とわざわざ付け加えて書くのは理由がある。

他ならぬ売上実績。

ぶっちゃけ。どちらの店も、メーカーが希望した数の半分強しか売れなかった。

食品の値上げが続いている昨今。お客さんの財布の紐は固くなる一方だわ。

 


もっとも2日目の店に限っては、試食数と販売数を照らし合わせた結果、対試食人数の購買確率は極めて高いことに気づいた。

実に試食された方の人に1人が買って下さっているのだ(試食人数には家族数をも含まれているから、実質的な購買確率はもっと高い)。

 


まあ、この店では何度もデモを行ったことがあり、当然ながらお客さんの層というか傾向というか、そちら方面の基本情報は得ているので、今回も自分なりに販売戦略を立てて売場には立ったんだけれど。

 


その戦略とはこれである。

「販売はとりあえす横に置いておいて、まずは試食してもらうための雰囲気を作る」。

 


地域性なのだろうか。ここのまちにあるスーパーやドラッグストアなどの小売店に来るお客さんは、おおむねノンビリしていて、田園風景広がる田舎ならではの節度がある。つまり、「(タダで)食べたからには買わなあかん」との警戒心や義理感も強く、基本、試食はしない方々なのだ。

そこをまず突き破らないと、デモンストレーションは前に進まない。

 


こういうタイプのお客さんは、だが、いざ試食して味に満足し、商品に納得すると、あっけないくらいにポンと買ってくれることが多い。

「販売の前に試食。試食の前に試食をしたい雰囲気作り」

が要求されるゆえんである。

 


写真は、記事に書かれたまちでの仕事を終え、家路につくため最寄駅で電車を待っている時に写したもの。

メーカー側が示した販売目標数にははるかに及ばなかったものの、店の部門担当者、パートさん、偉いさん、店内巡回していた警備のおっちゃん、おまけに複数回店を訪れたお客さんからも

「頑張ったね」


と労われた、良い1日だった。