もう何年前になるかしら、某ローカルスーパーで無塩そうめんのデモを担当したのは?
めんがノンソルトなのだから、つゆも当然ながら減塩タイプのもの。
やたら、具材に鰹節を多用したそうめんだった。
レシピ通りに作り、試食に出す前に味見をしたところ、マズイの何の。
ぼやけた味で、まことに頼りない。
それでも減塩つゆはポツポツ売れた。
購入される方は、押し並べて高年の、塩分に気をつけておられる方々だ。
無塩そうめんは売れない。
商品の山はデモスタート時点と変わらず。
その山がくずれたのは、午後になって。
「主人が病気(昨年、タレントの堀ちえみが罹患を公表した病)で、今は自宅で療養中だけれど、塩気があるものや酸味を感じるものは食べられへんのよ、、、もちろん麺やつゆもね。傷に染みるみたいで」
とおっしゃるお客様が現れたことによる。
お客様は、
「主人は麺が大大大好きなので、今までは自動車を走らせて自然食品店に無塩うどんや無塩そうめんを買いに行っていたけれど、家からすぐ近くのこの店でこういうのを売ってくれるなら、その手間も省ける。本当にありがたい」
と、無塩めんをまとめ買いして下さった(つゆはご自分で作っておられるとのこと)。
ううむ、、、。
きっと、このお客様のご主人も含め、人間は切羽詰まると味覚なんて二の次三の次になるのだろうが、、、あらためて感じ入ったものだ。
食べたいものを欲求のままに食べられるのは、実はとても幸せなことなのだと。
同時に、塩分対策の食品は、現在のところ「味」の面で問題はあるにしろ、必要とするターゲットは確実に存在するのだ。
写真は京都市内で写した文旦(?)の木。
この文旦も、今では降圧剤の関係で食べられないんだな。
トホホ。