ロングセラー商品〜味ぽん

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時代を超えるロングセラー商品について、少し考えてみよう。


例えば、ミツカンの「味ぽん」。
幾度となく宣伝販売を担当させていただいたこの商品が誕生したのは、1964年、かの東京オリンピックの開催年。
とすると、味ぽんは今年56歳で、これは、発売後数年以内で消える商品も少なくないことを考えるとやはりスゴい数字には違いなく、立派にロングセラー商品の一つと言えよう。


発売56年後の今日では、自民党岸田文雄氏がツィッターにアップした夕食の食卓にも置かれているくらいにポピュラーな、この醤油と柑橘系果汁がミックスされた調味料、味ぽんは、当時のミツカン社長が、取引先との会食で博多水炊きを食べた時に添えられていたぽん酢の美味しさに感動し、
「この味を家庭で手軽に再現できないものか」
と思い立ち、開発されたそうな。


発売当時は関西のみでの販売。やがて、全国デビューするわけだが、水炊き文化がない関東地方では苦戦し、それでもひるまずに営業マンたちは宣伝活動を展開し、販路を拡大していったとのことだ。


商品にも、開発時からして人の思いがあり、願いがあり、その他大勢の助けがあり、それなりの歴史とドラマがある。
結局、開発時に抱いた商品への思い入れを持続でき、時流と共にうまく共存できた商品が、ロングセラーとなるのだろう、、、味ぽんだって、世の食生活の変化に伴って材料の配合などは発売当時とは多少異なってきているだろし、パッケージやメニュー提案もしかり。


ちなみに、我が家では、味ぽんも含めたぽん酢の出番は、年毎に増えている。
理由の一つが、サラダドレッシング代わりに使い始めたこと。
加齢で油っこいものやこってりした味が以前ほど食べられなくなり、必然的に野菜にかけるドレッシングもあっさり系を好み出し、ついに油を抜いたぽん酢になってしまったのねえ、、、。


写真は味ぽん開発のヒントとなった博多水炊き(Wikipediaより)。