「安全」を買う

「ねえ、イスラエルに行かない?」。
数十年来の付き合いがある友人に誘われた。観光ではなく、一種の調査と研究を兼ねた旅である。
彼女が、ここ数年は年に一度も顔を合わせることのない私を誘ってきた理由は、言うまでもない。一人旅は割高だからだ。
加えて、私は彼女の専攻に全く知識がないわけではない。旅すがらの話し相手にも、まあ、世間一般の人よりはなりうるわけだ。

イスラエル。いいねえ。その昔、姉もやはり女友だちと訪れ、とても良かったと話していた。
しかーし、今は2018年。いっときほどではないにしろ時勢が時勢だけに、そして土地が土地だけに、セキュリティを考えたら、安くはない旅になる。
いや、旅の目的がら、食べ歩きとか土産とか、そういう方面では見事に金は使わないだろうけれど、別のところでね。
ズバリ、安全を金で買うのだ。

この「安全を金で買う」こと。実は旅行以外にもけっこうある。
例えば、オーガニックをうたった食品や化粧品、衣料もそうかも。
庶民にはお高いと感じる価格には、身体への「安全料」も入っていることは周知の事実だものね。