シニアの就活はアナログツールを使うのがオススメ

月は節目の季節。新しくナニカをスタートされた方も多かろう。
その1つが就労とか?
実際、流通、運輸、販売、介護、医療など、業界の各方面で人手不足が問題となっており、わけても運輸に関しては仕事がら公共交通機関を利用して販売の最前線に赴く私は、まさに肌でそのことを感じる日々なのだ。


例えば、運転士だけでなく、駅の職員も減っている。大阪モノレールや阪急線沿いの駅、すなわち極めて都会の駅ですら、時間帯によっては無人のところが増えているのが現実。


この状況の打開策の1つとして、政府はシニア労働の活性化を提唱し、また一般に第二の定年と言われる65歳以降も働きたいシニアもいるのだが、、、。


私の親しい友人Aさん(65歳)の実話である。
リタイアしたご主人(70歳)と2人暮らしの彼女は、贅沢をしなければ何とか暮らしていけそうな年金額と預貯金があるため、働く気はなかったけれど、諸々の理由から
「70歳までは、週に2日か3日くらい、何時間か働いて収入を得ようか」
と考えるようになった。


そこで、ネット上のシニア求人サイトに登録。これはと思うところには応募するようになった。
「ところがね、応募ボタンを押しても、翌日には不採用が届いているの。理由は書いていない。あれって、面接前にAIがふるいをかけているんとちゃうかな。求人条件には年齢不問と書いていても、実際は年齢制限をもうけて」。


うーん? そうかも知れないね。採用側は60代前半はともかく後半以降になると、本音の部分では?


シニアと一括りにしても、実際には個人差が大きいもの。70歳を超えていても、毎日標高450メートルくらいの大文字山に登るほど体力がある人もいるしね。
だから、採用する側は、年齢などのような表面的な条件だけで一律に足切りをするのでなく、その人に直に会っていただきたいね(もっとも時間的な事情はあるのだろう)。


ついでに、職を求めるシニアの方々。案外と駅や店の掲示板や紙の求人誌その他のアナログ系ツールを使う方が、採用率は高いかも。
ほら、求人広告を見たと電話をする時点で、「自分」を見てもらえるでしょ。

試食(試飲)宣伝販売において、匂いの力はあなどれない。

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物価上昇は止まるところを知らない。

 


それと明らかに関連があるだろう。

販売商品にもよるが、私たちデモンストレーターがデモをすることによって売り上げる金額も、全般的に以前よりは減少気味。

 


その前に、試飲も試食も、かつてのように数多く出なくなり、したがって一部の店舗では頻繁に見られた祭りめいた賑わい光景も、すっかりなりをひそめた。

「まだまだマスクをしている人が多いからとちゃうかなあ」

と、仕事仲間の1人。

「お客さんの身になってみれば、わざわざマスクを外してまで試食するの、そりゃメンドイで」。

確かに。

 


もっとも、特に新商品をデモする時などは、まずは試食してもらわないことには、仕事にならないんだよなあ、、、私たちの目的は試食(試飲)宣伝販売なんだから。

2週間ほど前にデモを担当した三ツ矢サイダーみたいな商品なら、味はもちろん知名度の面でもほとんどの人が知っているから、試飲数や試食数は、極端な話、業務に差し障りはないんだが。

とは言え、マスクをするのはお客さんの自由だしなあ、、、。

 


ところが、先だってのみりんの宣伝販売では、お客さん自らがマスクを外して試食を求める事態がおこった。

原因は匂い。

試食メニューはタケノコご飯で、幸いにもデモ場所に電源があったため、下準備だけ店のバックヤードですませ実際の炊飯はデモ場所でおこなうことが出来たのだが、炊き上がる途中から早くも

「いい匂いがするなあ。何を作っているんだろう。早く食べたいなあ」

と、子どもたちを中心にお客さんの方で寄ってきてくれたのだ。

 


炊飯終了の合図が鳴り、炊飯器の蓋を開けるや、人々がワッ。

香りからして美味しそうな試食品を前にしては、マスクを外す手間など何でもない。

 


デモ場所での調理は、2010年頃から、主にお客さんの安全を理由に暫定的に減ってきている。

実際にアブナイしね、小さな子どもや大人でもマナーがなっていない人は、まだ鍋の中でじゅうじゅう音を立てている肉やグツグツ煮立っているシチューなんかに平気に手を出してくるから。

で、何かアクシデントがあった場合、責任は販売側に課せられるので、デモ場所を貸す店としても慎重にならざるを得ないのだ。

 


ただ、満足のいく売上は、売り場で煮炊きしてこそ、だよ。

匂いも美味しさのうちだからね。

 


匂い。

この要素、コロナが明けて宣伝販売が復活した現在、もう一度見直されてよい。

 


写真は、堀川桜まつりでの真ん中と末の孫。

2人が持つ綿菓子も、匂いに惹かれて欲しがったのだ。

匂いの力はあなどれない。

ワークバランス問題、解決。

昨年1年、悩み続けてきた、「気力」と「体力」が一致しないという、ワークバランスの問題。このほど、あっけなく解決した。

 

娘婿が自営を辞めて勤め人となったのに加え、孫の急病時に近くにいることもあってフォローしてくれていた娘婿のお母さんが、骨折でそれが難しくなったのだ。

 

末の孫はまだ5歳。あと2年くらいは、ハプニングが生じた時には、娘夫婦が働いている平日にヘルプにまわるべくスタンバイしておく人がいるわなあ、、、。

 

4月いっぱいは現在のペースで何とか仕事をし、5月の連休明けに北海道に1人旅した後は、当面土日祝だけ仕事をしよう。それで、しばらく様子を見て、また状況が変わるとか体力面で自信がついたら、派遣会社やエージェンシーにその旨つたえて仕事を増やしてもらおう。

 

私たちの身分は日雇い。すなわちフリーランサー。いざという際の補償は薄いぶん、こういうライフスタイルの変化に応じてフレキシブルに働ける良さがある。定年もないし。


それと、地域に特定されないことも嬉しい。
この仕事、仮に九州や北海道に越しても、そこに店がある限りは出来るのだからね。

デモンストレーターの高齢化

先だっての記事で、バスドライバーなど運輸業界の人手不足と我がデモンストレーター業界の人手不足は高い確率で共通点があると書いた。


その1つが、ズバリ、現場に携わる者の高齢化。


その前に、デモンストレーターがどんなに人が足りないか、あくまで私の例ではあるが、端的に述べよう。


四捨五入したら70歳の婆さん(私)。なのに、ほぼ毎日仕事依頼が来て、時には1日に5件くらい打診されることがある。

これは、デモンストレーター派遣会社4社を掛け持ちしている関係もあるのかも知れないと思いきや、今日日のデモンストレーターはほとんどが数社に登録=掛け持ちしているから、他の仕事仲間も同じだわなあ。


こうなった大きな原因は、コロナ禍のもと試食販売がなくなり、年齢的にまだまだ転職出来る可能性が高い40代50代のデモンストレーターが別の仕事に就いてしまい、コロナが明けて試食販売が復活した後も元のデモンストレーター界に戻って来ないからなんだよね。


そういう人は言う。
「何かあったら仕事がなくなり、そのことに対して何の保証もないデモンストレーターなんて、やってられへん」(雇用形態が業務委託になっているデモンストレーターはその限りではない。実質的にはフリーランサー=自営業なので、今回の疫禍では保証の対象となった。1番気の毒だったのは、同じフリーランサーでありながら雇用形態が給与所得の人たち)。


確かに。ただ、私も含めた還暦以降のデモンストレーターは、諸般の理由もあって簡単には別の仕事に移ることが難しかったため、好むと好まざるをかかわらずデモンストレーター業界にとどまらずを得なかった。結果、デモンストレーターの年齢が全般に高くなったのだ。


コロナ後に今度はメーカーから次々と来る業務依頼。仕事にあぶれていた私たち高齢デモンストレーターは嬉しい反面、それらにひとつひとつこたえていたら体力がついていけない年齢になった。


ところで、ここでメーカーと私たちの橋渡しをするエージェンシーや派遣会社は考えないといけないのではないか。
「比較的に若いデモンストレーターがまたやろうという気にならないのはなぜなのか」
と。


ぶっちゃけ。人手不足解消の意味合いもあり、デモンストレーターのギャラはコロナ前より上がり、付随する条件もよくなった。
にもかかわらず、相変わらず求人募集に応募してくるのは、デモンストレーター経験のある、比較的に高年、せいぜい年配の人が大半。
つまり、若い人を惹きつける魅力がないことにもっと危機感を抱かねばならないのに、当座の対応策として、デモンストレーターが足りなかったら単に募集したらいいと考えているエージェンシーや派遣会社が少なくない。


デモンストレーター業界最大の問題、いや、他の運輸でも介護でも流通でも、いま人手不足にあえいでいる業界の最大の問題は、これだね。

ドライバー不足とデモンストレーター不足は、ある共通点のもと

(注)3月13日に書いた記事。

 

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一昨日の3月12日は、大阪は門真市にある、近畿一円でチェーン展開している某スーパーで長芋のデモ。

太平洋側を中心に午前中は大雨をも記録した日で、当然ながらお客様数は限りがあったが、試食メニューの長芋の塩焼きは大好評で、試食数を考えるとよく売れた。

 


ところで、この門真市京都市内の我家から、近くはないにしろ、さりとてそんなに遠い距離でない位置にあるのに、朝6時40分に家を出た(仕事開始は9時半)。

理由は、現場の最寄駅からのバスの関係。過疎地でなくてもドライバー不足などの理由で全般にバスの便は減っており、こんなところにも世相が見える。

 


では、なぜ、ドライバー不足なのか。

 


これ、実は、私たちデモンストレーター不足とも多分に共通している面があるのね。

 


次回で詳しく述べよう。

 


写真は、当日の現場近くの写真。

65歳以降のワークライフを考える。

あと10日くらいで67回目のバースデイを迎えるのだけれど、ぶっちゃけ、66歳になった昨年頃からとみに仕事に関する「気力」と「体力」のチグハグ感が増し、両方のバランスをとるのに苦しんだ1年間だった。

 

「キモチはもっと仕事をしたいし、出来る自信もあるし、状況的にもその方がいい。ところが、いざ仕事現場に立ってみるとカラダがいうことをきかないから、日にちも含め、労働を縮小せざるをえない」。

 

まあ、はたの方々は、
「行かなくてはならないところがあるから○ケ防止にもなるよ。そう思うたら?」
とか
「幅広く人と会う業務は社会勉強も兼ねているよ。勉強させてもらってお金ももらえて、愚痴たれたらアカン」
とか
「定年もなく、心身の健康をキープしていれば、70歳を過ぎても80歳を過ぎても働ける。ええやん。頑張り」
とか、いろいろとアドバイスを下さるんだが、うーん、残念ながら、我がシニアライフとしてのワークバランスが確立出来ているとは未だ言いがたい。

 

ただ、これだけはわかっている。
「今日は大阪府のA店、明日は奈良県のB店、明後日は滋賀県のC店に行ってね」
と、仕事発注元に依頼と指示をされる、こんな駒みたいな日々をいつまでも送っていてはいけない。
イスラエルの大物スパイだったウォルフガング・ロッツの職業体験記を読んでから、一段とそう感じるようになった。

 

ちなみに、ロッツが著書に掲載していた「スパイ適正診断」を試してみたところ、私は
「普通並みで、ほとんどの人がそう。身を入れて勤めれば、まずまずのスパイにはなれようぞ」
なるオコタエ。
これは、スパイ業務の実際の内容から推察して、資格や明確な専門性を要するのでなければ他の大半の仕事にも当たっているだろう。

 

そう! 私は、平凡でどこにでもいる、だけど働き続ける必要があるおばちゃん。
おばちゃんは、まだ当分のあいだ、試行錯誤しないといけないみたいだ。

理論と実務が備われば、鬼に金棒

プライバシーがあるから輪郭だけ書こう。

 

親しくなった某店のパートさんに、こう打ち明けられたことがある。

 

「何のかんの言っても大学は行くにこしたことはないね。だって、うちの会社(そのスーパーをチェーン展開している企業)も、大卒は最初は現場にいてもやがて本社や支社の管理部門に行くのに、高卒はずっと現場やもん。最高でも現場の偉いさん。つまり、退職金も含めて収入が違ってくる。同じような業界は他にも多いと思う。やから、私、子どもにはそんな思いをさせたくなくて(パートを)頑張ってんねん。大学の学費のため、稼がにゃ」。


ふうむ、、、。

現場体験が乏しい、でも学歴はある人が、まさしくカネを生み出しているはずの現場を仕切る。

ここがオカシイのだが、この構造は土地の所有による上下関係が始まった頃から変わらないね、、、。


現場の人に教育システムがもっとあるといいね。理論を知るといつもこなしている実務も違ってくるし。

そして、学歴や性別には関係なく、管理職への道を開く。


理論と実務。この2つが備われば、鬼に金棒。

学歴「だけ」より、経験「だけ」より、ずっと強いでしょ。