前の記事の続きだよ。
先週の金曜日はパンケーキ(ホットケーキ)のデモ。
店の担当者に、
「今までホットケーキの宣伝に来た人の中では1番焼くのが上手で美味しかった」
とお褒めの言葉をいただいた。
もっとも、これは私の料理スキル云々ではなく、積み重ねた「実験」のたまもの。
ホットケーキのデモを担当するたび、お客様から、こんな嘆きをちょこちょこ聞く。
「箱や袋の裏に書いている作り方の通りに作っているのに、うまく焼けない」。
具体的には、
「ふんわりとならない」
「きれいな円形にならない」
「焼きムラがついたり、焦げたりする」
などなど。
このうち、「ふんわりとならない」は卵をしつこいくらいに泡立てることで、「きれいな円形にならない」は、生地を落とす位置を高くすることで、解決する。
やっかいなのは、「焼きムラがついたり、焦げたりする」という最後の点。
これ、ぶっちゃけ、ホットケーキを焼くホットプレート(私はホットプレートでの体験しかないためフライパンで焼くケースは除外)の研究不足に原因があることも多いのよ。
人間が1人1人ちがうように、ホットプレートもそれぞれに特徴と言うかクセがある。
そのクセをのみこむのだ。
それには、ホットプレートを「実験」する必要がある。
ホットプレートでホットケーキを焼く時には、まずホットプレートを余熱することが必須条件だけれど、あなたはあなたのホットプレートに何度で何分熱を与えたらホットプレートが安定するか、知っていますか?
また、ホットケーキを何度で何分焼いた時にひっくり返したら表がムラなく見事なキツネ色になるか、知っていますか?
さらに、ひっくり返した後のホットケーキ。すなわち裏面は何分焼いたら、そこそこの焼き色がつく(裏面も綺麗に焼くテクはあるものの、ま、家庭で楽しむには「そこそこの焼き色」でヨシなのでは?)のかも知っていますか?
上にあげたこれらの事項を知るには、「実験」しかない。
実際に、自分のホットプレートでホットケーキを焼いてみるのだ。
何度も何度も。
そして、その都度、データを取る、
幾度か繰り返すうち、あなたは、まずはホットケーキミックスの袋なり箱なりに書かれている作り方とは違う「数値」を得るはず。
そう! 仮に「弱火で3分後にフツフツと泡立つからひっくり返す」と記載されていても、あなたが使っているホットプレートでは、2分半かも知れないし、反対に4分かも知れない。
ついでに、この「弱火」という基準は、ホットプレートによっても微妙に異なるよ。
あとは、生地を何回くらい混ぜたら良いのか、どうしたらもっちりと焼けるのか、それも「実験」によって、導き出せる。
要は、すべての疑問を解決すべく、一つ一つ試し、記録。
数値と、見た目や混ぜた時の感触などから得るカンから「最高の状態」をつかみだせるはず。
そこから得たものは、、、?
続く。
写真は、現場のバックヤードで写した、ホットケーキの見本。
光線の関係で、やや焼き過ぎととらえられかねないけれど、実際には、店舗関係者の方々とお客様を感動させたくらいに素晴らしいキツネ色。
ホットケーキに限らず、厚焼き卵にしろ何にしろ、シンプルな料理ほど見た目が大切。
良くも悪くもね。