ADHD傾向と共に「コツコツ粘り強く」傾向も

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以前、書いた。
「私には多分にADHDの傾向があり、それで随分と学業でも仕事でもプライベートでも損をしてきた」。


その通り。集中力がなく、言動の落ち着きもなく、思考や関心は方々に散り、やがて行き場を無くして、彷徨ったままで終わる。
亡母は、よく私を叱責していた。
「何をやらしても中途半端」。


もっとも、最近、気がついたのだ。
「私、コツコツやるのも案外と嫌いではないのではないかな」
と。


きっかけは、コロナが流行り出した頃に実施したパンケーキの宣伝販売。
「焼き色といい、食感といい、風味といい、プロみたいですね」
と、試食されたお客様や店舗の方からお褒めの言葉をたくさんいただいた。
ありがとうございます。


実は、あれ、家庭で何十回と繰り返した「実験」のたまものなのよ。
パンケーキをビジュアル面も含めて美味しく作るのは難しいとまでは言えないにしても、易しくはない。
コツがある。そのコツを掴み、身につけるには、ある程度の繰り返し作業が必要。


もっとも、その時だけではなかった。
デモ実施予定のメニューが作り慣れていないものだったり、調味料の分量が「適当に」「気持ちだけ」などの言葉が並んでいるスカスカレシピだったら、私は家で必ず予行演習をした。
料理、基本的に苦手だからねえ。どこぞの誰かのようにカンで味付けなんて、絶対にようせん。


スケールで具材の量を計り、計量カップや計量スプーンやキッチンタイマーを駆使して、煮込んだり炒めたり味付けたり。火加減、時間にも留意する(ものによっては具材の切り方にも)。
大切なことは、成功しても失敗しても、必ずデータを取ること。料理と言うより理科の実験だわな。


そのうち
「あ、これこれ、これだ!」
と、味覚にピタッとくる味に巡り合う。
ここで、すかさず、その味が出来るまでの工程を数字に落とし込む、、、〇〇何百g、△△は何十gで切り幅は何cmくらい、水何カップ、醤油何ml、煮込み時間最中火で何分、、、というように。
こうして仕上げたレシピを、メモに書くのはもちろん、頭にも叩き込み、100%の自信を持って現場に立つ(デモンストレーションにはハッタリ要素もあるので、自信を持っていないと出来ない)。


自慢するわけではないけれど、ここまでやってうまくいかなかったこと、1度もないのよ。
「ママ、これ、美味しい」
「どうやって作るの?」
ハイ。試食してほおを緩めるお客さんの顔をみたら、試行錯誤しつつレシピを作った苦労なんて吹き飛びますよ。
達成感、満ち満ち。


皮肉にも、この「コツコツと粘りづよく課題に取り組む」性質は、亡母の基幹をなすキャラクター。
やはり、あの人の子どもなのだろう。


とは言え、現場でも「ついうっかり」が目を出し、レシピの分量を間違えて試食品を作ってしまい、それがまた大好評をよんだこともある。
「基本は踏まえつつ、数字以外の感覚も大切にして作る」
食べ物を美味しく作る最大のポイントは、このことかも知れない。


写真は、真ん中の孫。この子は、今年から子ども料理教室に通っている。