これも「加齢」?〜買い物ぶんを持ち帰れない。

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デモンストレーターの仕事を始めて、1年ほど経った頃だったか。
京都市内にある、全国でチェーン展開しているスーパーの某店舗で液体だしの宣伝販売を担当していた私は、70代後半から80代前半と思しきお客様の何気ない一言に身をつまされた。


「お姉さん、このお汁、ホンマに美味しいねえ」
私が差し出した試食品のうどん(担当商品の液体だしを使って作ったもの)を召し上がったそのお客様は、即座にそう言った。
「薄めるだけなのも嬉しいし。でも、ごめんな、私、よう持って帰られへんねん」。


言葉の意味がわからない私がキョトンとしていると、お客様は、
「私、トシやからねえ、、、ちょっとでも重いものは、もう腰にこたえるねん。やから、油でもみりんでも牛乳でも、一番小さいサイズのもんを買うねん、ほらね?」


差し出されたカゴを見れば、確かに。
なるほど、これでは私がすすめた500ミリリットル入りの液体だしを
「持って帰れない」
と答えたわけもわかる。


あれから16年。63歳になった私は、このお客様の当時の実情を、先日、身を持って体験した。


自宅から、歩いてわずか10分ほどの距離にあるスーパーで買った、1.8リットルの焼酎と1リットルの牛乳とキャベツ大丸ごと1個とやはり大サイズの玉ねぎ3個。
これだけを持ち帰るのに、いくら途中が坂道で、かつ、その日が雨だったとしても、、、あんなに手間取るなんて。


商品が入ったマイバッグを持ち上げ、ぶら下げて帰る途中、
「わ、腰に来るわ」
と何度も感じ、二、三度、休憩した。


それでも、けっきょくは腰をいためたのか、だるさと痛さは1週間後の現在も続いている。
しかも、長雨による湿度と冷えの影響で腰部の血流が悪くなったのか、症状は悪化している。


「加齢」は、こんなところにもあらわれるのだ。


写真は、一番上の孫。