私は、いわゆる「飲食店」というところには、待ち合わせや時間潰しでドリンクを飲む以外では滅多に入らない人間だが、これには理由(わけ)がある。
1つは、価格。
もう1つは、量。
価格については、言うまでもないから、説明は省略。
量については、ズバリ、多過ぎるのだ。生まれつき恐らくは平均より小さい我が胃袋。カレーライスにしろラーメンにしろ定食にしろ、一般に食堂で提供されるメニューはどれもこれも3分の2ほども食べれば、率直なところ、満杯。それを
「残すと、作ってくれた人に悪い」
と、無理をして押し込む結果、真の満足感は得られず、
「こんなふうじゃ、店内で食べ切れる量のお寿司なり小ぶりの弁当なり買って社員食堂で食べるか、コンビニのイート・インで適量のおにぎりやサンドイッチなどを食べた方がいい」
となる。
自然と、外食から遠ざかってしまうのだ。
それが、ここ12、3年くらいの間に、どうだろう、かなりの店で「ミニ」や「プチ」や「小」と称する「小さいサイズ」のメニューが登場してきた。
あと、「塩分控えめ」とか「甘さ控えめ」とか「脂分◯%カット」などのバージョンも珍しくなくなった。
お客さんが背負う多様性に細かに対応してくれる店が増えたあらわれだろう。
こんな取り組みは嬉しい。
考えてみたら、一定年齢を過ぎれば大半の人は身体に何がしかの問題を抱えており、食事制限がある場合も少なくない。
また、私のようにもとから胃弱だったり、そうでなくても病気その他の理由で量を食べられない人もいる。
そんなもろもろの課題を抱えた人でも外食を楽しめる店。
もっと増えて欲しい。
写真は、真ん中の孫。この子も食が細い子だ。