おでんはデモには不向き

 昨日はコノミヤ放出店で、デモ。
 担当は、桃屋の「塩だしつゆ」。醤油を一切使わない、新しいタイプの液体だし(希釈タイプ)だ。
 メニューはおでん。

 このおでん。
 はっきり言って、デモメニューには不向きである。
 理由は、出来上がりに時間がかり、そのぶん試食人数が減るから。
 そもそも、おでんは、弱火でじっくりと煮、出来上がってしばらくおいてこそ、味が染み込み、
あの味になるものだ。

 それでも、茨木屋のように
「おでんの具材は練り物だけ」
 となれば、まあ、何とかなる。
 今回は
「大根をぜひ入れて欲しい」
 と桃屋側から要望がきていたので、本当に苦慮した。

 大根はなかなか火が通らない。
 と言って、あまりに小さく切ると、今度はおでんらしくない。
「何やの、これ?」
 と、お客様に聞かれてしまう。
 
 仕事の性質上、なるべく短時間で試食メニューを仕上げる必要があるので、仕方がない、今回
は大根を小さく切った上で薄切りにし、つゆに大根の甘味が出る作戦に切り換えた。
 大根の甘味は、塩だしに絶妙にマッチする。つまり、大根の姿は見せず、隠し味にしたわけ。

 結果は大成功。
 もっとも、この要領が呑み込めたのは、二回目の試食を提供した後。
 お客様の反応を見て、決めたのだ。
 デモに行く以上、一定数は売り上げないといけないからね。

 ともあれ、おでんは、おでんつゆやおでん種の宣伝でもない限り、試食メニューに加えない方
がベターだ。