デモンストレーターと声

(注)2月5日に書いた記事。

 

今朝、ラジオを聞いていたら、山下久美子が歌う「バスルームから愛を込めて」が流れてきた。
あらためて感じたものだ。
「この人の声って独特だなあ」
と。


声。私たち宣伝販売に携わる者にとっても、業務を遂行する上では、販売ツールの一つとして大いに考慮されねばならない声。
実際、よく通るタイプの声を持つ同業者は多い。


と言って、アナウンサーやナレーター、施設のインフォメーション係のように、必ずしも美声を求められるわけではないところが、面白いところ。
その意味では、声に「個性」があった方がインパクト面で有利な歌手や声優と同じ条件かも知れない。
極端に言ってしまえば、デモンストレーターは、ありきたりな美声でない方がいいのだ。


デモンストレーターになって迎えた初めての夏。近畿地方の某スーパーで健康飲料をデモしていた私の耳に、一度聞いたら忘れられないであろう声が飛び込んできた。


地の底から響いてくるような、太く濁った声。その迫力に思わず声の方向先を振り返ってみれば、声に相応しいルックスとプロの漫才師顔負けのノリを持つトークが絡まったおばちゃんがおり、ポンポンと担当する商品が売れていく。
お客さんいわく、
「うまいこと言わはるから、つい買うてまうねん」。


あのおばちゃん、どうしているだろう?
アフターコロナでは、宣伝販売もデジタル化が進んでいるだろうから、仮におばちゃんがデモに登場するとしてもオンラインの可能性があるが、、、うーん、それではあの特有の声も、それがゆえに発する魅力もなあ、、、。