火曜日、大阪市内の某スーパーに水産関係のデモで立っていたら、お客さんの1人にとつぜん話しかけられた。
「おねえさん、試食販売が復活してきていると聞いたけれど、仕事、ある?」
と。
なんでも、お客さん、20代前半の頃は東京で試食販売の仕事をしていたそうな。それが、結婚後は見知らぬ大阪に来た上、基本的には土日祝が仕事の職種ゆえ、家族のことを考えて辞めた。子どもたちの手が離れてパートに出ることになった時も、販売や食品とは全く関係がない業種に。
「そんでもね、心の底ではずっと元の試食販売の仕事がしたいと思っていた。いいよね、あの仕事。いろんなところに出かけていろんな人に会えて。介護とか引越しとか、そういう事態に対応してくれるのもありがたいし」。
お客さん、子どもさんたちももう巣立っていて、ご主人と2人で年金暮らし。別に差し迫って(生活に)困っているわけではないが、年金の他に少しでも収入があれば、
「孫にプレゼントをしたり、主人とたまに温泉に行ったりするにもゆとりが出るし」
と語る。
そうだよね。その気持ちはとてもわかる。
ほんの少しのゆとり。これは、とても大切なものだ。
プラス、社会参加の意味合いもあろう。
いや、習い事やボランティアでも立派な社会参加で、別に仕事に限ったことではないんだけれど。
私は、お客さんに、高齢のデモンストレーターも活躍している派遣会社ないしエージェンシーを3社、紹介した。
会社名と電話番号をメモし、
「一度、電話してみて下さい」。
彼女と、いずれ、どこかで会えたらいいな。