パクチー大好き~パクチスト

近年、エスニック料理の一般化にしたがい話題にのぼることが多くなったパクチー。その独特の風味から好き嫌いがはっきりと分かれることでも知られるこの野菜を使った調味料、きざみパクチー(写真)のデモを請け負ったのは、7月上旬だったか。
「下手すると、売上は片手(五本以内)、最悪はゼロかも」
正直、不安な気持ちを抱えて現場に立った。
パクチーベトナムに行った時にメインディッシュのつけ野菜として食べたことがあり、日本人の一般的な味覚から想像すると、これはダメな人にはとことんダメな味がするだろうなと感じていたからだ。

メニューはそうめん。
普通にゆがいた麺を試食カップに小分けし、真ん中に練り状のきざみパクチーを一絞り乗せて、つゆをかける。
食べる時はつゆにパクチーの味がよく混ざるよう軽くかきまわすのだが、、、この過程で「おやっ」と思った。
この南国情緒豊かな香り。
ここからして、もしかすると、イケる人にはイケるのではないか?
確かに個性は強いが、なかなかめんつゆと合うじゃないの!

果たして、パクチーそうめんデモの幕開け幕開け。
巷にはちょっとしたパクチーブームもあるのか、試食は予想以上にコンスタントに出た。
ただ、そこから先はねえ、、、。
「美味しい。パクチーって病みつきになるワ」
「こういうそうめんも変わっていてエエワ」
「案外と食べれるね」
「いやぁ、この味はなぁ、ちょっと」
「変な匂いやな」
「こりゃ受けつけんワ」
想定していた通りの展開になった。

とは言え、販売数はデモ実施店が希望していた数の倍以上。
やはり、ハマる人はハマるのだ。

パクチー、大好き。粉末タイプを常備していて、サラダにもスープにも毎朝飲む豆乳にも振りかけています」
こうおっしゃったお客様もいた。
「私みたいな人間のことを、パクチストと言うんですよ」
はあ、パクチストねえ、、、。
うまく考えた言葉だな。

パクチーそうめんのデモから一ヶ月。
実はこの私もパクチストになりつつある。
わさび代わりにきゅうりの和え物やちくわのソテーに使っても一味変わったところを楽しめるし、野菜と肉の炒め物の味付けにもいい。サラダドレッシングやスムージーにも。
新しい味を知り、世界が開けた気分。

この仕事の良さは、こんなところにもある。

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