家庭料理の定義

名前をど忘れしてしまったが、30数年前に読んだ料理本の著者が、家庭料理について、こんなふうに定義していた。


1、手間がかからないこと。
2、旬を取り入れていること。
3、経済的であること。
4、栄養のバランスが取れていること。
5、食べ飽きないこと。


そして、仮に欠けた食器に無造作に盛られていても、美味しく感じることだとも。


さらに、融通が効くこともあげていた。
例えば、フリカッセをメインディッシュにした時、この著者の子どもさんは
「これではご飯のおかずにならない」
と、じゃこや漬物を加え、著者は
「これぞ家庭料理だ」
と、あらためて思ったとか。


確かに。
これらの点に加え、個人的には、良い意味でのええ加減さと言うか、応用の広さも求めたい。


例えば、きんぴらごぼうを作る時にごぼうがなかったら、ごぼうをこんにゃくやさつまいも、れんこんなどに代替する。
例えば、時間がない時は、市販の炒め物を買ってきて野菜なり肉なり加えて新たに炒め、薬味(唐辛子、ゆず、生姜その他)で調節してオリジナルな味にする。


食事は日々のことで、しかもプロではない家庭料理人のほとんどは、ある意味、金銭とは関係ない。
時におおらかさもないと、作る側は持たないよ。