一昨日に書いた記事で
「旅の楽しさの醍醐味が非日常なら、業務を通じて直に地元の人と触れ合うことが出来る宣伝販売の仕事は、立派に旅だ」
と書いた。
それを実感出来るのが、お客さんとのトークの中で、そこの土地ならではの料理、すなわち郷土料理についてふれる時だ。
上の打ち豆汁もその1つで、湖北(滋賀県北部)のスーパーで季節の野菜を使った具たくさんスープのデモをしている時、スープを試食した80歳近いかと思しき女性に
「寒い時は温かい汁物がエエねえ、、、」
から始まった一連のやり取りの中で
「ここいらにも、昔は冬場になるとどこの家でも食べられてきた汁物があるんよ」
と、教えられた一品。
うち豆汁は、簡単に述べれば、水に浸けて戻した大豆を槌で潰しで作った保存食の打ち豆と野菜を入れた味噌汁。
かつて大豆は日本人の貴重なタンパク源だったし、地域がら積雪量によっては外部との交流が遮断されてしまうケースも珍しくなかったから、保存食を備蓄しておくことはこの一帯に住む家庭では必須事項だった。
打ち豆汁のレシピ自体は、今日日のことだ、さまざまなサイトで公開されている(湖北の他、福井県や新潟県などの北陸にも打ち豆汁はあり、おのおの微妙に具材が違うよう)が、肝心のうち豆は、、、うーん? 自分で作るとなると手間がかかりそうだしな。
と案じていたら、ちゃんと市販されていて、ネットでの入手も可能なみたいだ。
打ち豆汁のレシピを見ていて、ふと、山形県の郷土料理である「納豆汁」との共通性を発見される方も多いのではないか。
なるほど、山形県も雪国だし、自然環境的に似たところがあるのかも知れない。
そのことだけを考えても、郷土料理には、当地で、細く、でもしぶとく生き抜いてきた民の知恵と工夫が詰まっていると言えそうだね。
写真の打ち豆汁はWikipediaから。