諸君、砂糖に敬意を払いたまえ〜その1

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「諸君、砂糖に警戒したまえ」。

こんなタイトルの記事が、雑誌「暮らしの手帖」に掲載されたのは、私が小学校高学年の5年生か6年生の時だったか。

西暦であらわしたなら、1967年か68年のことだ。

 


当時、初の非白人国開催の東京オリンピック1964年)を成功させた日本は高度成長の真っ只中。同時に、食事をも含めた生活様式全般が急激に欧米化していっている渦中で、当然ながらバターなどの油脂と共に砂糖の摂取量も増えつつあった。

岡山南東部の、ブドウ栽培以外はこれといって特徴のない農村の一件しかないよろず屋の店頭にすら、日々テレビでコマーシャルされているチョコレートが所狭しと並んでいたところからも、それはうかがえる。

実際、私やいとこたちが当時から子どもたちに人気のあったグリコのポッキーやら森永のチョコフレークやらを口にするのを見るたび、大正13年生まれの亡父は言ったものだ。

「昔は砂糖は貴重品じゃったから甘いもんなぞ食べられなかった。ワシのちいせえ(幼い)時分にゃ、どこの家も子どもに祭りの時に5つか6つアメ玉を買うてやるんがやっとじゃった」。

 


その貴重な砂糖をたっぷりと使ったお菓子や飲み物が、一般に所得が高いわけではない農民や工場労働者その他の庶民層の子弟にも一般化していっていた、まさにその最中に、くだんの

「諸君、砂糖に警戒したまえ」

の記事だったから、少なからぬインパクトを読者に与えた。

 


小学生だった私は、そこに書かれていた砂糖の弊害を、詳細には記憶していない。むしろ、ほとんど理解できなかったのが本当のところだ。

それでも、砂糖を必要以上に摂ることが身体にマイナス面をもたらすことは、読んでいてわかった。

 


あれから半世紀以上。

砂糖は、警戒レベルを超えて、すっかり悪者にされた感がある。

 


とは言え、砂糖はそんなに身体に悪影響を及ぼすものなのだろうか?

宣伝販売の仕事に長年就いてきた私には、

「諸君、砂糖に警戒せよ」

どころか、

「諸君、砂糖に敬意を払いたまえ」

と本気で勧めたい場合もあったし、現在もあるのだが。

そこいらを、順次、書いていこう。

 


そもそも、砂糖は砂糖でも、いろいろな種類の砂糖があるしね。

 

 

写真は、1番下の孫(4歳)。

この子も、チョコレートもドーナツもシュークリームも、つまり甘いものが大好きな子だ。